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認知症との遭遇
treasure every encounter

平成17年6月から国保匝瑳市民病院の内科(循環器科)外来を担当してきました。匝瑳市は千葉県内でも高齢化が進んでおり、外来でも認知症との遭遇は必然でした。
ある日、何年も前から高血圧症で通院されている患者さんのご家族から『最近母が怒りっぽくて、物忘れもひどくなってきている』という訴えがあったのですが、当時の私は認知症の知識ゼロでしたのでご家族と相談し、隣町の脳神経外科もの忘れ外来を受診してみることにしました。そこでアルツハイマー型認知症と診断されアリセプトとシンメトレルという薬が開始されたのですが、症状は改善することなくご家族は困り果てていました。私も悩み主治医として何かできることはないものかと模索していたときに『ドクターコウノの認知症ブログ』に出会いました。『アリセプトとシンメトレルは興奮系薬剤なので怒りっぽくなっている人に飲ませると易怒がエスカレートしてしまう』という基本的なことを教えていただき、アルツハイマー型認知症でもアリセプトを処方してはいけない場合があることを知りました。この患者さんの場合、『まずは易怒という陽性症状を治すことが先決』ですので、興奮系のアリセプトとシンメトレルは中止し抑制系のグラマリールという薬を処方したところ、翌日から険しい表情は和らぎ穏やかになられご家族にも笑顔が戻りました。
平成25年10月には国保匝瑳市民病院にて内科外来とは別枠で認知症治療外来を新規開設しました。これまで千葉県内外から多くの患者さんが受診されましたが、診察中に患者さんから教わることはとても多く『医師には医学書と患者の両輪が必要』なことに気付かされます。これからも日々の経験を活かして認知症診療に邁進したいと思います。

改善例
Improvement example

80歳代の男性、前医の診断はアルツハイマー型認知症でした。施設に入所されていて徘徊、入浴拒否、放尿など陽性症状が目立ちました。診察室では腕組みして仁王立ち、イスには座りません。怖い表情で診察も拒否され、途中で診察室から立ち去ってしまいました。この方はピック病または嗜銀顆粒性認知症が疑われますので、すぐにアリセプトを中止し、ウインタミンというお薬を少量だけ処方して2週間後再診予定としました。その日はイスに座って穏やかな表情で診察を受けられ、帰り際に看護師さんに「ありがとう」と言葉をかけ退出されました。陽性症状に対して適切な処方ができると穏やかな落ち着いた生活を取り戻すことができます。

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市川
フォレストクリニック

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